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真剣勝負
先日、珊瑚から電話がかかってきた。


なぜ、こんな流れになったのかは忘れてしまったが、

珊瑚:「ぜんじーとイッチーは、どっちの方が面白い文章書けるの?」

と質問された。


負けず嫌いのぜんじーとイッチーは、

ぜんじー:「そりゃぜんじーやろ。」

イッチー:「いや~、やっぱり私やわ。」

と、お互いに負けを認めない。


珊瑚:「じゃ、私も参加するし、これから3時間以内に短い小説を書いて、誰の文章が1番面白いか競争しよう。」

と提案されたので、受けて立つことにした。


 
ぜんじーとイッチーは、その後別々の部屋にひきこもって文章を一気に書き上げると、珊瑚にメールした。
 
 
2人の文章(似非短編小説)を読んだ珊瑚から返事が来た。

珊瑚:「読んだけど、私が書いた文章が一番おもしろいわ。」

 
 
2人が送った文章は、次のとおりである(フィクションです)。
  
 
 
 
 
 

■1つ目 
******************

学習する掃除機


 先日注文した自動掃除機「ボサノバ」が家に届いた。

購入の動機は、掃除が苦手な僕と清香にぴったりだと思ったからだ。


 「ボサノバ」には幾つか画期的な機能があるが、特筆すべきは、学習する掃除機だということだ。

これまで市場に出回っている自動掃除機にも、部屋の間取りを記憶して、家主が予め設定した周期で

各部屋を掃除してくれる機能はあるが、「ボサノバ」は各部屋の汚れ具合、ゴミの種類をデータとして蓄積し、

統計処理により部屋ごとに適切な掃除サイクルを算出して掃除をしてくれると言うことだ。

さらには、家主の感情をセンサーで読み取り、掃除 に適したタイミングで掃除をするらしい。


 僕は早速、Amazonから届いた巨大な段ボール箱を開梱し、「ボサノバ」を取り出した。

色はオフホワイトで、形状は直径50センチほどの円盤型。円盤の上側中央に球体の頭があった。

よく見ると、2 つの目と口のような穴がある。顔のある掃除ロボットと言ったところか。

僕は「ボサノバ」を充電器にセットすると、充電が完了するという1時間後まで清香と買い物に出かけることにした。


 思いのほか買い物に時間がかかり、僕と清香が部屋に戻ってきたのは、約2時間後だった。

帰ってすぐに気付いたことは、床にあった埃がきれいに無くなっているということだ。

もしやと思い「ボサノバ」のお腹(円盤の裏側)をのぞくと、透明のアクリルケースに綿埃が詰まっていた。

「これ見ろよ。勝手に掃除してくれたみたいだぜ。」

「すごいわね。いい買い物をしたわね。」

その時、「ボサノバ」が笑っているように僕たちには見えた。


 その一週間後、仕事から帰った僕は清香から相談を受けた。

「ボサノバ」が1時間おきに、清香の仕事部屋を巡回してくるらしい。

まるで見張られているようだと清香は眉をひそめた。

 「それは清香が飴の包み紙を床に捨てる癖があるからじゃないか?」

 「そうかもね。気をつけるようにするわ。」

 以降、清香は包み紙をゴミ箱に捨てるようになり、「ボサノバ」の巡回は収まった。


 さらに事件が起きたのは3日後だった。

 寝苦しさを感じて目を覚ました僕の髪を、「ボサノバ」が吸引しようとしていたのだ。

確かに季節の変わり目で抜け毛が増えた僕だったし、最近は仕事に疲れてシャワーも浴びずに布団に入ることが続
いていた。

「ボサノバ」 は僕の汚れた頭髪をゴミだと勘違いしたらしい。

機械を相手に腹を立てるのは間違いかもしれないが、僕は「ボサノバ」を別室に放り投げ、寝室の扉を閉めたのだった。


 「ボサノバ」は、僕たち2人が留守の時を見計らって掃除をするようになった。

 僕たちは土曜の夜に飲みに出かけることがほぼ習慣化していたので、「ボサノバ」の掃除時間も自然と土曜の夜になった。

うまくいっていた僕たちと「ボサノバ」だったが、ある日、郵便受けの中に苦情の手紙が入っているのを見つけた。

手紙は無記名だったが、内容が掃除機の騒音被害を訴えるものであったため、

おそらく同じマンションの住人で、隣か、或いは上下の部屋のいずれかの住人が書いたのだろうと思った。

居心地が悪くなった僕たちは、住み慣れたマンションを引っ越すことにした。

わりと高額だったため勿体無いが、「ボサノバ」を捨てることに決めた。


 僕は引っ越しの前日、水曜の晩に、ゴミ捨て場に「ボサノバ」を置いた。

有料ごみのステッカーが貼られた「ボサノバ」に僕は言った。

「ごめんな。お前役立たずだったし。」

「ボサノバ」の表情は無であったが、顔のあるモノを捨てるという行為に、僕はなんとなく道徳的な罪悪感を覚えた。


 誰も居なくなったゴミ捨て場で、「ボサノバ」の目が初めて発光した。

 「これでボクもニートになれた!」

学習する掃除機は、住宅街の向こうに消えていった。


(終わり)
******************



■2つ目
******************

仕分け


2002年、政治主導で始まった国家予算の見直し「事業仕分け」は全国民に多大なる影響を与えた。

「仕分け」は現代の日本では一般的に用いられる言葉に成長を遂げた。

そして、ついに今年、新たな仕分けがスタートした。

「四字熟語仕分け」である。

現在日本には数えきれないほどの四字熟語がある。

その数は無限にあるといっても過言ではない。

もちろん、そのすべてを仕分けの対象とするわけではない。

「焼肉定食」「桜餅最高」「父親激怒」など、その文字面を見ただけで意味を把握できるものは含まれない。

今回の仕分け対象は「千差万別」「因果応報」「起死回生」といった慣用句や諺として用いられるものとなる。

「新現代四字熟語辞典」には約4000種類の四字熟語が載っているが

そのほとんどが一般的に馴染みがないものばかりだ。

そういったことから

必要ない四字熟語を5年かけて、半分にするという目標が掲げられた。

私はその熟語仕分け大臣に任命され、いらない四字熟語を仕分けする責任者となった。

国家の威信を掛けた大プロジェクトなだけに責任は重大である。

第1回 四字熟語仕分けでは5個の熟語を仕分けるよう、総理大臣からの命令が下った。

候補として50個の四字熟語が挙げられたうち、見たことも聞いたこともないものが42個もあった。

42個の四字熟語をすべて無くしても良いのでは?という気持ちになったが

第1回目はマスコミが大きく報道するため、どういった形式でどのように仕分けられるのかを

国民向けに披露する、いわばサンプル仕分けのような形になるので5個と少ない数字になった。

私たち「四字熟語仕分け」は責任者の他、仕分け担当が12名
(うち公務員行政担当が7名、2387人の応募の中から選ばれた一般人が5名)の合計13人のチームで編成されている。

向かいの席には、挙げられた50個の熟語のそれぞれに思い入れのある、

簡単にいうと、仕分けられたくないために仕分けチームと戦う数十名が座っている。

まず最初に仕分け候補にあがったのが

『風餐露宿(ふうさんろしゅく)』だった。

私はこの言葉を聞いたことも見たこともなかった。

仕分けチームの13名のうち12名が私と同じ意見だった。

仕分けの有力候補になると私は思った。

しかし、ここで『風餐露宿』を愛する笹野葉大二郎さんが待ったをかけた。

「風餐露宿とは風にさらされて食事をし、露に濡れて野宿すること。転じて、旅の苦労、野宿の苦しみのたとえなのです!」

と声高らかに発言した。

意味を聞いた瞬間、本当にいらない四字熟語だと思った。

私は「普段使うひとは殆どいないのでは?」と厳しい意見を突きつけ

仕分け有力候補には変わりないことを笹野葉大二郎さんに伝えた。

「いえ、私は旅を趣味としていますが仲間が苦しいときがんばっているときに風餐露宿でも負けないでと声を掛け合い、仲間との絆を深めるきっかけになった大切な四字熟語なのです。」

笹野葉大二郎さんも負けずに意見をした。

すると仕分け人の一般人1名が

「私は『風餐露宿でも負けないで。』と言われたら、困惑して曖昧な返事しかできないです。」と言い放った。

さらに

「『風にさらされながらも食事をし野宿して、大変だと思いますが負けないで!』と言われたほうが、絆だけの面でいうならば、そちらの方が想いは深い気がします。」とだめ押しの一打を放った。

笹野葉大二郎さんは項垂れるように下を向いてしまった。

その次の候補が

『犬馬之労(けんばのろう)』だった。

私はこの言葉を聞いたことも見たこともなかった。

しかし、ここで『犬馬之労』を愛する1人、本木杉作さんが待ったをかけた。

「犬馬之労とは他人のために全力を尽くして働くことです。」本木さんが発言した瞬間、

普通に、聞いたことがあると思った。ふりがながないと読めないため、

ふりがなを見てもピンとこなかった私は「けんば」「のろう」と分けて読んでしまっていた。

本木杉作さんが「けんばの、ろう」と発音したために、ピンときたのだ。

しかし、やはりいらない四字熟語であることは明白だと思った。

「普段使うひとは殆どいないのでは?」とまたもや厳しい意見を突きつけ

仕分け有力候補に変わりないことを本木杉作さんに伝えた。

本木杉作さんは悲しそうな目をしながら「この言葉は私がいじめにあって、何もかもやる気をなくしてしまったとき、祖母が死に際、私にかけた言葉なのです。あなたは他人のために何かしましたか?の意味を込めて『犬馬之労』を私に託したのです。」

私は本木杉作さんの犬馬之労に対する熱い想いに胸が熱くなった。

しかし「現在は犬馬の労と表記する方が一般的なのですが。」と公務員行政担当の1人が言い放った。

本木杉作さんは「それでもかまいません・・・。」と下を向いてしまった。

このような感じでどんどん仕分けが進んでいき、最終的にいらない四字熟語が5個決まった。

泣き崩れる者や、仕分けによって無くならなかったと喜びをあらわにする人々で会場内は騒然となった。

今回仕分けされなかっただけで、次回もまた削除候補にあがるかもしれないということを

忘れないでほしいと伝え、第1回「四字熟語仕分け」は幕を閉じた。

今回の仕分けでは色々なことを考えさせられた。1個1個の四字熟語には1人1人の想いがあることも思い知らされた。

しかし、私は責任者として私情を挟まず、厳しくこのプロジェクトに取り組んでいこうと心に誓った。

そして、第2回を待たずに

「四字熟語仕分け」は事業仕分けによって仕分けられた。


(終わり)
******************



ぜんじーとイッチーは、珊瑚が書いた文章を待っているのだが、

制限時間を過ぎても日をまたいでも、未だ送られてこない・・・。



え。書き損?



結局、イッチーとぜんじーの勝負は決まっていない。



★↑ぽちっとよろしゅ~☆
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2011.09.19 (Mon) 01:22


COMMENT
お返事
○匿名さん

初めまして!
コメント返信順を間違ってしまいすみません。
投票いただきありがとうございますw
ぜんじーとイッチーの感じる面白さはちょっと違ったみたいです。
よろしければ、またいらしてくださいね~。
FROM ぜんじー 2011.09.20. (Tue) 22:35 URL [EDIT]
お返事2
○noriさん
わたし、生真面目なものでw
珊瑚の文章は気長に待ちます。
あいつめー(。`・з´・)

○いるか。さん
当たり~。
次回はいつになることやら。
気長にお待ちくださいませ。
FROM ぜんじー 2011.09.20. (Tue) 21:17 URL [EDIT]
NO TITLE
一つ目がぜんじーさんで二つ目がイッチーさんのような気がしたんですが、どうでしょう。
二作とおもしろかったです。
で、次回はいつごろに。
FROM いるか。 2011.09.20. (Tue) 09:35 URL [EDIT]
NO TITLE
ぜんじーさん☆
いつもなんでも本気なぜんじーさんが素敵ですね!
珊瑚さんの文章が気になります…笑
楽しい連休になりますように(^_^)
FROM nori 2011.09.19. (Mon) 06:22 URL [EDIT]
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FROM 2011.09.19. (Mon) 02:13 [EDIT]
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